アルミニウム合金

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アルミニウム合金の種類と概要

合金系統  種類の記号  概要 
AI-Cu系  A2011
A2014
A2017
A2024
ジュラルミン、超ジュラルミンの名称で知られる2017・2024が代表的で、鋼材に匹敵する強度をもつ。切削性は良好で、特にPb、Biを添加した2011は快削性合金として機械部品に多く用いられている。また、2014は高強度鍛造材として広い用途をもっている。比較的多くの銅を含むため耐蝕性に劣り、腐蝕環境にさらされる場合には十分な防蝕処理を必要とする。
Al-Mn系  A3003
A3004
3003が代表的合金で、Mnの添加により純アルミニウムの加工性、耐蝕性を低下させることなく、強度を少し増加させたもの。器物、建材、容器などに広い用途をもつ。また、3003に相当する合金にMgを1%程度添加した3004はさらに強度があり、アルミ缶、屋根板、ドアパネル材などの材料として多く用いられる。
Al-Si系  A4032 4032はSiの添加により熱膨張率を抑え耐摩耗性の改善を行ったものに、Cu・Ni・Mnをそれぞれ約1%添加し、耐熱性を向上させたもの。耐熱性がよいうえに熱膨張が少ないので、鍛造ピストン材料に適している。
Al-Mg系  A5005
A5052
A5083
Mgの添加量の少ない合金としては、5005が代表的で、車輌用内装天井板、建材、器物材等に用いられる。 中程度のMgを含有するものとしては5052が代表的で、中程度の強度をもつ材料としてもっとも一般的なものである。 Mg含有量の多い5083は比熱処理合金で非熱処理合金としてはもっとも優れた強度をもち、溶接性も良好である。このため、溶接構造材として船舶、車輌、化学プラントなどに使用されている。
Al-Mg-Si系  A6061
A6063
この系の合金は強度、耐蝕性とも良好で、構造用材として使用される。6061は少量のCuを添加させて強度を高めたもので、耐蝕性は少し低下するが、鍛造性に優れ、リベット用材や自動車の小型部品に使用されている。耐力が254N/mm2以上で、設計上たわみを問題としなければ、SS400鋼と同等の許容応力がとれるという利点がある。6063は強度は低いが押出性に優れ、6061ほど強度を必要としない構造材として使用される。
Al-Zn系  A7075
A7N01
アルミニウム合金のなかで最も高強度をもつAl-Zn-Mg-Cu系合金と、Cuを含まない溶接構造用Al-Zn-Mg合金に分類できる。 Al-Zn-Mg-Cu系合金の代表的なものは7075で、航空機、スポーツ用品等に使用されている。 Al-Zn-Mg合金は比較的高い強さをもちながら溶接後の熱影響部も自然時効により母材に近い強さに回復するため、優れた継手効率が得られる。7N01が代表的合金で溶接構造用材料として鉄道車輌等に用いられている。

アルミニウム合金の化学成分

種類の記号  化学成分(%) 
Si  Fe  Cu  Mn  Mg  Cr  Zn  Ti  Al   その他 
A2011  0.4以下 0.7以下 5.0 - 6.0 - - - 0.30以下 - 残部 Pb:0.20 - 0.6
A2014  0.50 - 1.2 0.7以下 3.9 - 5.0 0.40 - 1.2 0.20 - 0.8 0.10以下 0.25以下 - 残部 Zr+Ti:0.20以下
A2017  0.20 - 0.8 0.7以下 3.5 - 4.5 0.40 - 1.0 0.40 - 0.8 0.10以下 0.25以下 - 残部 Zr+Ti:0.20以下
A2024  0.5以下 0.5以下 3.8 - 4.9 0.30 - 0.9 1.2 - 1.8 0.10以下 0.25以下 - 残部 Zr+Ti:0.20以下
A3003  0.6以下 0.7以下 0.05 - 0.20 1.0 - 1.5 - - 0.10以下 - 残部 -
A3004  0.3以下 0.7以下 0.25以下 1.0 - 1.5 0.8 - 1.3 - 0.25以下 - 残部 -
A4032  11.0 - 13.5 1.0以下 0.50 - 1.3 - 0.8 - 1.3 0.10以下 0.25以下 - 残部 Ni:0.50 - 1.3
A5005  0.3以下 0.7以下 0.20以下 0.20以下 0.50 - 1.1 0.10以下 0.25以下 - 残部 -
A5052  0.25以下 0.4以下 0.10以下 0.10以下 2.2 - 2.8 0.15 - 0.35 0.10以下 - 残部 -
A5083  0.4以下 0.4以下 0.10以下 0.40 - 1.0 4.0 - 4.9 0.05 - 0.25 0.25以下 0.15以下 残部 -
A6061  0.40 - 0.8 0.7以下 0.15 - 0.40 0.15以下 0.8 - 1.2 0.04 - 0.35 0.25以下 0.15以下 残部 -
A6063  0.20 - 0.6 0.35以下 0.10以下 0.10以下 0.45 - 0.9 0.10以下 0.10以下 0.15以下 残部 -
A7075  0.4以下 0.5以下 1.2 - 2.0 0.30以下 2.1 - 2.9 0.18 - 0.28 5.1 - 6.1 0.15以下 残部 Zr+Ti:0.25

アルミニウム合金の質別記号 JIS H 0001-1998より抜粋

記号  定義  意味 
製造のままのもの 加工硬化又は熱処理について特別の調整をしない製造工程から得られるもの。
焼なまししたもの 展伸材については、最も軟らかい状態を得るように焼きなまししたもの。鋳物については、伸びの増加又は寸法安定化のために焼きなまししたもの。
加工硬化したもの 適度の軟らかさにするための追加熱処理の有無にかかわらず、加工硬化によって強さを増加したもの。
T 熱処理によってF・O・H以外の安定な 質別にしたもの 安定な質別にするため、追加加工硬化の有無にかかわらず、熱処理をしたもの。

細分記号  意味 
H1 加工硬化だけのもの:所定の機械的性質を得るために追加熱処理を行わずに加工硬化だけしたもの。
H2 加工硬化後適度に軟化熱処理したもの:所定の値以上に加工硬化した後に適度の熱処理によって所定の強さまで低下したもの。常温で時効軟化する合金については、この質別はH3質別とほぼ同等の強さをもつ。そのほかの合金については、この質別は、H1質別とほぼ同等の強さをもつが、伸びは幾分高い値を示す。
H3 加工硬化後安定化処理したもの:加工硬化した製品を低温加熱によって安定化処理したもの。その結果、強さは幾分低下し、伸びは増加する。この安定化処理は、常温で徐々に時効軟化するマグネシウムを含む合金にだけ適用する。
T1 高温加工から冷却後自然時効させたもの:押出材のように高温の製造工程から冷却後積極的に冷間加工を行わないで、十分に安定な状態まで自然時効させたもの。したがって、矯正してもその冷間加工の効果が小さいもの。
T2 高温加工から冷却後冷却加工を行い、更に自然時効させたもの:押出材のように高温の製造工程から冷却後強さを増加させるため冷間加工を行い 更に十分に安定な状態まで自然時効させたもの。
T3 溶体化処理後冷間加工を行い、さらに自然時効させたもの:溶体化処理後強さを増加させるため冷間加工を行い、更に十分に安定な状態まで自然時効させたもの。
T4 溶体化処理後自然時効させたもの:溶体化処理後冷間加工を行わないで、十分に安定な状態まで自然時効させたもの。したがって、矯正してもその冷間加工の効果が小さいもの。
T5  高温加工から冷却後人工時効硬化処理したもの:鋳物又は押出材のように高温の製造工程から冷却後積極的に冷間加工を行わないで、人工時効硬化処理したもの。したがって、矯正してもその冷間加工の効果が小さいもの。
T6 溶体化処理後人工時効硬化処理したもの:溶体化処理後積極的に冷間加工を行わないで、人工時効硬化処理したもの。したがって、矯正してもその冷間加工の効果が小さいもの。
T7 溶体化処理後安定化処理したもの:溶体化処理後特別の性質に調整するため、最大強さを得る人工時効硬化処理条件を超えて過剰時効処理したもの。
T8 溶体化処理後冷間加工を行い、さらに人工時効硬化処理したもの:溶体化処理後強さを増加させるため冷間加工を行い、更に人工時効硬化処理したもの。
T9 溶体化処理後人工時効硬化処理を行い、更に冷間加工したもの:溶体化処理後強人工時効硬化処理を行い、強さを増加させるため、更に冷間加工したもの。

アルミニウム合金の機械的性質

種類 (JIS呼称)  質別  引張強さ (N/mm2)  耐力 (N/mm2)  伸び (%)  ブリネル硬さ (HBS 10/500)  疲れ強さ (N/mm2) 
A2014  T6 485 415 13 135 125
A2017  O 180   70 22   45   90
A2024  T4 470 325 20 120 140
A3003  O 110   40 30   28   50
A4032  T6 380 315   9 120 110
A5052  H38 290 255   7   77 140
A5083  H116 315 230 16  - 160
A6061  T6 310 275 12   95   95
A6063  T6 240 215 12   73   70
A7075  T6 570 505 11 150 160
A7N01  T5 345 295 15 100 125

回転曲げによる50×107回の疲れ強さを表します。
● 上表の数値は参考値であり、保証値ではありません。



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