公開日:2021年09月16日

ロボットハンド(グリッパ)の種類と選定方法【選定事例も掲載】

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ロボットハンド(グリッパ)選び、お悩みではありませんか?

ロボットハンドとは、ロボットアームの先端やガントリーローダーに取りつけられ、ワークを把持する部品をさします。
先端のワークに触れる部品は「爪」と呼ばれ、ロボットハンドには含まれません。

 

「ロボットハンド」は、他にも「グリッパ」「ハンド」「チャック」と呼ばれることもあります。
当社では「グリッパ」と呼んでいるため、ここからは「グリッパ」にてご紹介いたします。

グリッパは作業のスピードや効率に大きく影響する大切な部品です。
ここでは、グリッパの種類と、選定に関わる重要な項目を「形状」「性能」の2つの観点からご紹介します。

 


1.グリッパの種類

グリッパの種類は一般的に2種類に分けられます。
駆動源が空気の「空気圧グリッパ」と、駆動源が電力の「電動グリッパ」です。

空気圧タイプが空気の圧力でグリッパを駆動させるのに対し、電動タイプは電力でグリッパを駆動させます。
タイプによってそれぞれ特長が異なります。

■空気圧グリッパの特長
1.コントローラなどの周辺機器が不要なため、電動グリッパと比較して簡単に導入できる
2.バリエーションが豊富なため、自社工場の条件に合ったグリッパが見つかりやすい
3.軽量な機種が多いため、ロボットの可搬重量内に占めるグリッパの割合を減らし、より重たいワークを搬送できる
4.防塵・防水性能を上げやすいため、グリッパの寿命を延ばしやすい   ※IPの解説はこちらにて
5.把持力が大きい機種が多いため、重量ワークの搬送に採用されやすい   ※把持力の解説はこちらにて

■電動グリッパの特長
1.複数のワーク把持位置を設定できるため、1台のグリッパでサイズ違い・向き違いのワークを把持できる
2.エア供給用のホースや、ワーク把持を検知するセンサ・スイッチ(ケーブル)が不要
3.電力で動作するため、エアコンプレッサが不要。AGVや走行ロボットとの相性が良いほか、カーボンニュートラルへ貢献
 

選定ポイント

上記特長の中で優先すべき条件に適したタイプを選定します。



2.グリッパの形状

グリッパ選定に関わる重要項目の中で、グリッパの形状を決定するためにおさえておくべきポイントを
「爪の本数」「爪の開き方」「協働ロボット用グリッパ」の3つの観点からご紹介します。 

A:爪の本数

グリッパに取りつける爪の本数は、グリッパ形状を決める際の代表的な要素です。
産業用グリッパでは、爪が2本のグリッパ(通称:2爪グリッパ)、爪が3本のグリッパ(通称:3爪グリッパ)が広く使用されています。


選定ポイント

把持するワークの形状・材質などから、適した爪の本数を決定します。

 


B:爪の開き方

2爪グリッパ・3爪グリッパには、爪が平行にスライドして開閉する平行開閉タイプと、爪取りつけ部の支点を中心に旋回して開閉する支点開閉タイプの2種類があります。
支点開閉タイプはさらに、開閉角度の違いによりアングルタイプとラジアルタイプの2種類に分類されます。

 

選定ポイント

それぞれのメリットや、爪が開く際の干渉状況、ワークの把持方法などから爪の開き方を選定します。

 


C:協働ロボット用グリッパ

作業者と協働作業(同時に作業)するよう配慮されたロボットを協働ロボットと呼びます。
グリッパにも、視認性・安全性に配慮し設計された、協働ロボット対応の機種が存在します。
協働ロボット用グリッパも、駆動源・爪の本数・開き方などで種類が分かれる点は同様です。

選定ポイント

協働ロボットに取りつけるからといって、必ずしも専用のグリッパでないといけないという訳ではありません。
リスクアセスメントの実施は必要ですが、アプリケーションによっては、産業用グリッパも使用可能です。
視認性・安全性に配慮した機能が必要な場合には、協働ロボット専用グリッパが最適です。
使用環境に合わせて、最適なグリッパの選定をおすすめいたします。

+ 協働ロボット専用グリッパの把持力(詳細はここをクリック)

人間の手や指の最大許容力は140Nと言われています。
協働ロボット専用グリッパは、万が一手や指が挟まれてしまっても大丈夫なよう把持力を140N以下に設定しているモデルが多くあります。
把持力が足りないと諦めてしまう前に、把持力やコストの面で魅力のある産業用グリッパを検討されても良いかもしれません。



3.グリッパの性能

「形状」の観点で選定した選定結果が、「性能」を考慮することで異なる選定結果になることがあります。
性能面でグリッパ選定に関わるポイントを「把持力」「剛性」「IP」の3つに分けてご紹介します。


A:把持力

把持力とは、グリッパでワークを把持(内径把持・外径把持)する際に必要な力のことです。
把持力は下記複数条件の組み合わせにより決まります。

■把持力に影響する条件
・ワーク重量
・グリッパ使用環境
・ワークを把持した後、どのように動くか(上に動くか横に動くかなど)

 

■把持力の計算方法

概算は下の式で算出することが多くあります。


 
+  概算式の詳細は下記のとおりです。(詳細はここをクリック)
 


B:剛性

剛性とは、ワーク把持の際に爪・グリッパ本体にかかる曲げやねじりの力に対する変形のしにくさの度合いのことです。
剛性が高いほど爪・グリッパ間のガタが起こりづらい傾向にあり、長期間使用出来る傾向にあります。
剛性も把持力と同じく、下記のような複数条件の組み合わせにより決定します。

■剛性に影響する条件
・どのような爪を装着するか(長い爪をつける場合やオーバーハングする場合は高い剛性が必要です※)
・ワーク重量
・ワークサイズ

 ※オーバーハングとは(詳細はここをクリック)
オーバーハングとはグリッパ本体から爪をはみ出して取りつける方法です。
グリッパ本体よりも大きなワークを把持できる場合があります。

■仕様表上の項目 
剛性は以下の項目の数値で表示されています。「剛性」という項目はないので注意が必要です。

・最大爪重量(片側)(kg)
・最大爪長さ(mm)
・許容モーメントMx(Nm)
・許容モーメントMy(Nm)
・許容モーメントMr(Nm)
・許容荷重Fa(N)

高剛性



C:IP(防塵防水性能)

 グリッパと爪の間の摺動部や、グリッパ内部への水・粉塵の侵入をどのくらい防ぐことができるのかを表す規格です。

選定ポイント

グリッパの使用環境によって必要となるIPが変わります。

■選定例
1.ミストが舞っている環境 ⇒IPX4対応のグリッパ(防水性能が4)
2.水・クーラントがかかる ⇒IPX7対応のグリッパ(防水性能が7)
3.粉塵が舞っている ⇒IP6X対応のグリッパ(防塵性能が6)


※なお、実際の生産現場では、これら基本的な選定条件の他にも、それぞれの現場特有の細かな使用条件やさまざまな制約が出てくることがあります。
その違いによって選定するグリッパが変わるため、上記はあくまでも一般的な選定方法とお考えください。


4.選定事例を見てみましょう

上記のポイントを踏まえた実際の選定例を2つご紹介します。

5.お気軽にご相談ください

ここまで、グリッパの選定に必要な知識・情報をご紹介してきました。
実際の生産現場では、その現場ならではの環境や制約など細かな条件が出てきます。

そのため、基本的な選定条件と、現場条件が衝突してしまい、どのグリッパを選定すべきかわからない、といったお悩みが出てくることもあるかと思います。

そんな時は、ぜひお気軽にご相談ください。グリッパ選定や導入に関する無料相談を随時受けつけています。

以下の問い合わせフォームに「自社に最適なグリッパを選んで欲しい」と記入してください。

みなさまに最適なグリッパ選定のお手伝いをいたします。

 

6.当社技術情報、取り扱いグリッパのご紹介

NBKは空気圧グリッパ/電動グリッパの両方を取り扱うロボットメーカであり、FA・ロボットシステムインテグレータ協会に所属しています。


■当社空気圧グリッパの特長


■当社電動グリッパの特長


■取り扱い商品
・空気圧グリッパ、電動グリッパ
・2爪グリッパ、3爪グリッパ、特定用途用グリッパ
・協働用グリッパ
・グリッパ関連アクセサリ


詳細はこちらから
空気圧グリッパ商品ページ
電動グリッパ商品ページ
協働ロボット用グリッパ商品ページ
グリッパ関連アクセサリ商品ページ
 
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