公開日:2014年03月31日
リニアクランパ・ズィーの取りつけ方法
設計における注意事項
取りつけ方法
設計における注意事項
基本事項
- リニアクランパ・ズィーにはガイド機能はありません。リニアクランパ・ズィーとレール・シャフトとのクリアランスを保つために、キャリッジ・リニア軸受などと組み合わせてご使用ください。
- 適用レールの基準寸法が表面処理等によって変化する場合、適切にご使用いただけない可能性があります。
- カタログ記載の保持力を得るために、クランプ時にリニアクランパ・ズィー本体の変形を抑える必要があります。本体の変形を抑えるために、本体の取りつけ用のねじ穴の開いている面(下図赤枠部)の全面が、十分な剛性を持つテーブル・ベースなどと接するように設計してください。
- 複数のレールを使用する場合は、偏荷重を避けるため、すべてのレールにリニアクランパ・ズィーを取りつけることを推奨します。
- ブレーキ機構つきタイプ MBPS UBPS RBPSは、開放状態でも、ブレーキパッドとレール・シャフトが接触する場合があります。
- ブレーキ機構つきタイプの停止距離の計算方法については、こちらをご参照ください。
形状
リニアクランパ・ズィーの形状には、レール・シャフトのラジアル方向(上)から取りつけできる形状と、取りつけできない形状があります。形状についてはCADデータにてご確認ください。
空気圧タイプ
- ISO 8573 - 1に定められた個体粒子の等級4以上の空気を供給してください。
- 管継手は以下のおねじサイズをご使用ください。
- チューブの外径は下表のサイズを推奨します。チューブ外径が小さいほどリアクションタイムが長くなります。
レールの呼び チューブの外径 ♯20以下 φ4mm以上 ♯20を超える φ6mm以上 - 配管の長さは可能な限り短くしてください。配管長さが長いほどリアクションタイムが長くなります。
- エアコネクション(空気圧の供給)は左右のつけ替えが可能です。(MCP MCPSは除く)使用条件に合わせて位置を変更してください。
- 通常使用の場合
3ポート以上の切換え弁を使用してください。
- プラスコネクションを使用する場合
5ポートの切換え弁を使用してください。エアフィルタを取りはずし、そこへプラスコネクション用の配管をつなぎます。
エアコネクション | 管継手 |
---|---|
M3 | M3 |
M5 | M5 |
G1/8 | G1/8 |
プラスコネクションとは、ばねによる保持力に、空気圧による保持力を付加し、保持力を増強させる接続方法です。そのため、プラスコネクション用の配管をつないでいる場合でも、空気圧供給が止まると、通常使用の場合と同じばねのみの保持力となります。
油圧タイプ
- ISO VG 46の鉱物系作動油を使用してください。粘度の低い油を使用した場合、油漏れが発生する可能性があります。
- 管継手は以下のおねじサイズをご使用ください。
オイルコネクション 管継手 G1/8 G1/8 G1/4 G1/4 - 油圧の供給は左右いずれからも可能です。
- 出荷時は作動油(HLP46)が封入されています。異なった油を使用する場合は、油の置換を行ってください。
- KWH KBH を使用する場合は、テーブルにリニアクランパ・ズィーの位置決めのための突きあて面を設けると、取りつけが容易になります。
取りつけ手順
空気圧タイプおよび、油圧タイプを使用する場合、出荷時に挿入されているスペーサ(常時閉タイプのみ)やレールが無い状態でのクランプ動作を行わないでください。リニアクランパ・ズィーが十分に開放しなくなり、レールやシャフトに取りつけられなくなるなどの不具合が発生したり、リニアクランパ・ズィーが破損する可能性があります。
空気圧タイプ
- リニアクランパ・ズィーを、クランプを開放した状態でレールに取りつけてください。常時閉タイプは、出荷時に挿入されているスペーサを挿入した状態で10回程度開閉動作を行った後に、レールに取りつけてください。
- 使用するテーブルなどにリニアクランパ・ズィーおよびアダプタプレート(必要な場合)を仮締めしてください。ねじは、強度区分8.8以上のものを使用し、ねじの呼び径×0.9以上のかみ合い長さを確保してください。
- レールのクランプ・アンクランプ動作を10回程度くり返した後に、クランプ状態にしてください。
- レールをクランプした状態で、取りつけ用のねじを既定の締めつけトルクで締めつけてください。締めつけトルクは、各商品ページを確認してください。
- シールが付属している商品は、仮締め状態のシール固定用ボルトを締めつけてください。
- リニアクランパ・ズィーが、カバー・ベースなどと干渉しないことを確認してください。
マニュアルタイプ
- リニアクランパ・ズィーのクランプを開放した状態でレールに取りつけてください。
- 使用するテーブルなどにリニアクランパ・ズィーおよびアダプタプレート(必要な場合)を仮締めしてください。ねじは、強度区分8.8以上のものを使用し、ねじの呼び径×0.9以上のかみ合い長さを確保してください。
- レールをクランプしてください。
- レールをクランプした状態で、取りつけ用のねじを既定の締めつけトルクで締めつけてください。締めつけトルクは、各商品ページを確認してください。
油圧タイプ
- リニアクランパ・ズィーのクランプを開放した状態でレールに取りつけてください。
- リニアクランパ・ズィーの位置決めのための突きあて面がある場合は、リニアクランパ・ズィーを突きあて面に押しつけた状態で、取りつけ用のねじを規定の締めつけトルクで締めつけてください。突きあて面が無い場合は、厚さ0.05㎜のシムなどを用いて、レールとコンタクトセクションとの隙間を確保してください。ねじは、強度区分8.8以上のものを使用し、ねじの呼び径×0.9以上のかみ合い長さを確保してください。締めつけトルクは、各商品ページを確認してください。
- シールが付属している商品は、仮締め状態のシール固定用ボルトを締めつけてください。
- 以下a~dの手順にてエア抜きを行ってください。
- 油圧が配管されていない側のオイルコネクションのスクリュープラグをゆるめてください。
- リニアクランパ・ズィーに接続されている継手をゆるめてください。
- a)b)でゆるめた箇所の両方から油があふれ出るまで油圧を供給してください。
- 油があふれ出ている状態のまま、a)b)でゆるめた箇所を締めつけてください。
エア抜きを行わない、もしくは不十分な場合、リニアクランパ・ズィーが破損する可能性があります。リニアクランパ・ズィーの取りつけ後には、上記手順にて必ずエア抜きを行ってください。
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