公開日:2015年12月14日
設計者のためのラッチ解説
ラッチとは
ラッチとは、ドア・門・窓などの掛け金やかんぬきのことをいい、ドアなどを閉じた状態の保持・解除をサポートし、不用意な開閉を防止する機械要素部品です。
ラッチの構造・形状にはさまざまな種類があり、扉・ドアの種類に応じて選定する必要があります。
NBKはさまざまなタイプのラッチを標準化しています。
種類と特長
バイスアクションラッチ
ワンアクションで2つの動きを連続的に行います。
操作部をまわすとポールが後退してロックがはずれ、さらにまわすとポールが回転し、ドアを開けることができます。
ドアを閉めるときは逆の操作を行ってください。
ポールが回転してから締めつけるので、ドアが傷つきにくい構造です。
ラージサイズ | スモールサイズ | T-ハンドル |
---|---|---|
ステンレス製 | 六角穴 | キーロックなし |
四角キー | ノブつき | キーロックあり |
六角穴 | ||
ノブつき |
カムラッチ
六角レンチでカムを開閉するラッチ。
内部ばねによりカムがフレームを押さえつけるため、がたつきが少なく振動に強い構造。
レンチで押しつけることでカムの開閉時にはカムがフレームから離れるため、フレームを傷つけることなく開閉できます。
ロック機構つきのカムラッチがあります。
レンチを押しつけない限りカムは回転しないため、不用意に開閉することはありません。
リフトアンドターンラッチ
レバー上部を押し、レバーを引き起こすとポールが後退し、ロックがはずれます。
つぎに、レバーをまわせばポールもまわり、ドアを開けることができます。
レバーは収納式。収納時は扉とほぼ平面になります。
リフトアンドターンコンプレッションラッチ(キーロックなし)
リフトアンドターンコンプレッションラッチ(キーロックあり)
リフトアンドターンラッチ
スライドラッチ
本体をスライドさせれば、ドアを開けることができます。角穴にはめ込むだけの簡単取りつけ。
スライドラッチ - エルゴタブスタイル
スライドラッチ - フラッシュスタイル
ドローラッチ
隣合わせの扉・パネルに取りつけたキーパーを引き寄せてラッチします。
金属製の美しく堅牢な仕上げ。レバーを上げると梃子の反作用で、固いドアの解放をサポートします。
オーバーセンタードローラッチ(キーロックなし・キーロックあり)
頑丈でしかもフレキシブル。振動・衝撃を吸収し、ミスアライメントがあっても確実にラッチします。
その他ラッチの紹介
NBKは上記のラッチ以外にもさまざまなラッチを標準化しています。
ハンドルを倒すとゴムブシュが軸方向に圧縮されドアをラッチします。ゴムで押さえつけるため、ガラス・プラスティックなどの扉・パネルにも適用できます。
ハンドルを引けばポールがはずれ、ドアが開きます。ドアとほぼ同一平面になる薄型デザイン。誤ってドアを開けることがありません。
ボタンを押すことによりポールが引込み、ドアが開きます。ドアは軽く押すだけでスムーズに閉まります。